第71回「りんどう句会」報告
(2023年5月1日(月)鎌倉芸術館にて開催)
第71回句会は13名の出席、1名のメールによる欠席投句で、一人3句ずつ全42句の出句でした。当月の兼題は浜崎かづきさん出題の春の季語「陽炎」です。
今回の最高点は、浜崎かづきさんの句、「身の上を問はず語りの遍路宿」で、9点を獲得しました。選評では、「デジャビュの句。多くの類句がありそうではあるが、句としてはきちんとまとめられている良い句」という感想がいくつも述べられました。かづきさんの実体験に基づく句ということです。
7点句の田村昌恵さんの句は、酒の香りのする酒蔵の並んでいる街の様子が映像として目に浮かぶという選評がありました。この句では、上五の「陽炎に」は、つかみどころのない陽炎の特徴がそれ以下の「酒の香りや蔵の街」との取り合わせとして詠われています。
同じく7点句の山田伸子の句は、春といっても楽しいことのみではなく、門出を前にした若者の不安や揺れる心がよく表現されているとの選評がありました。特に、「桜どき」という下五の季節感がとても効いているとの評もいただきました。
6点句は、吉崎明光さんの句で、同世代、しかも早稲田の同窓生で、いまだに某ビール会社や住宅メーカーのCMなどに出演するなど現役で活躍している女優の吉永小百合さんと「昭和の日」という季語の取合せがはまっているとして、多くの仲間の心をつかんだようです。明光さんは、学生時代、図書館で偶然隣の席に座っていた彼女に気が付いたときの思い出をいかにも嬉しそうに披露していました。
次回は5月29日、兼題は前川たくさん出題の夏の季語「若葉」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。
当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務局あてメールでお問い合わせください。
【今月の高得点句(一部修正、同点句は兼題優先)氏名は俳号】
(4点句) 祖父譲り負けん気顔の一年生 鈴木金平
寺の脇蝌蚪湧く池面さんざめく 千葉ふみ子
(山田伸子記)
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