2022年10月13日

第64回「りんどう句会」報告

第64回「りんどう句会」報告

(2022年9月26日(月)鎌倉芸術館にて開催)

 第64回句会は、12名の会員から3句ずつ、全36句の出句で、その内2名はメール投句でした。当月の兼題は山田伸子出題の秋の季語「秋風」です。

今年は9月に入っても残暑がいつまでも続き、また台風の影響もあり、爽やかな「秋風」はあまり経験できなかったようですが、投句には爽やかな風、寂しい風、もの悲しい風など、季語の持つ幅広い「風」の味わいが反映され、おしゃれな句もありました。

今回の最高点は北村拓水さんの「言へば妻との隙間秋の風」で7点でした。

どこかで聞いたようではありますが、五七五の中七「妻との隙間」に共感したという男性陣の感想が圧倒的でした。けれど、女性からも2名の方から点が入っていて、妻の側からも「隙間」への共感が寄せられたものと思われます。

6点句は2句とも藪野詠子さんの作で、それぞれ「つと秋風とすれ違ひ」、「すとんと秋となりにけり」の副詞が効果的で良かったという選評が語られました。

次回は10月31日、兼題は手島廉雲さん出題の「月」です。兼題1句と当季雑詠2句をご用意ください。

 当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務所あてメールでお問い合わせください。


【今月の高得点句(一部修正、同点句は兼題優先)氏名は俳号


(7点句) 言へば妻との隙間秋の風      拓水

6点句)  曲り角つと秋風とすれ違ひ      詠子

      嵐去りすとんと秋となりにけり    詠子

5点句) 秋風やレモングラスの紅茶の香    明光

      部屋部屋の建具戻りて秋の風     ふみこ

      傘すぼめ行き交ふ道や萩の花     よしえ

(4点句) 巨峰摘む小顔のデニムキャスケット  明光

(3点句) 閉店の貼り紙ゆらす秋の風      よしえ

誰が植ゑし交番前の白式部      ふみこ

                                (山田伸子 記)


稲門会HP第64回りんどう句会 .pdf  ←句会風景 クリックしてください。

  

posted by 鎌倉稲門会 at 20:06| Comment(0) | ◇俳句の会
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