第58回「りんどう句会」(メール句会)報告
(2022年3月28日(月)投句、2022年4月4日(月)選句締切り)
第58回句会は、先月に引き続きコロナ感染者数下げ止まりの状況に鑑みて、メール方式で実施しました。出句数は12名×3句=36句(選句は13名)。
当月の兼題は千葉ふみこさん出題の「ぶらんこ」。中国の北方民族に、寒食の節(冬至後百五日目)に鞦韆(しゅうせん。遊具の「ぶらんこ」のこと)に乗って春の神を呼ぶという風習があり、それが我が国では春の遊びの季語として広まったと言われています。映画「生きる」の志村喬のぶらんこのシーンは、当時小学生だった私にもとても強烈な印象を残しました。今回も藪野詠子さんがその思い出の句を詠まれており、皆さんの共感を得ています。
最高得点は千葉ふみこさんの句。新しい口紅を買ったのに思うように外出もできないまま、三度目の春を迎えてしまったというもどかしさを詠まれており、大多数の方の点を獲得しました。
次回4月25日(月)開催の第59回句会は、感染対策に十分留意しながら久しぶりに会場に集合してリアル句会で行う予定です。兼題は浜崎かづきさん出題の「しゃぼん玉」。出句は兼題1句と当季雑詠2句の合計3句。当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務所あてメールでお問い合わせください。楽しいですよ。是非一度覗いてみて下さい。
(今月の高得点句:3点以上。原句のまま。氏名は俳号)
11点句:封切らぬ口紅の有り春三たび 千葉ふみこ
5点句:春の月無灯のホテル闇に浮く 福田くにもと
三十路過ぐ娘の慶事桜咲く 北村拓水
4点句:ぶらんこや映画「生きる」のラストシーン 藪野詠子
幼顔のこす笑顔や卒業子 田村昌恵
3点句:寝足りたる猫また眠る春炬燵 福田くにもと
公転を促すごとく地虫出づ 吉崎明光
(吉崎明光記)