<第56回「りんどう句会」(メール句会)報告
(2022年1月31日(月)投句、2021年2月7日(月)選句締切り)>
第56回句会は、オミクロン株急拡大の状況に鑑みて、リアル句会の予定をメール句会(一部、郵便)に変更して実施しました。出句数は12名×3句=36句。
当月の兼題は高吉よしえさん出題の「初夢」。句会開催時期は例年1月末なので、新年の季語を詠む機会を得たいとして、出題いただいたものです。
多くの佳句が寄せられましたが、例えば、下記の手島廉雲さんの句のように、長年の仕事人生が脳内に刷り込まれてしまっている我々にとっては、若干のペーソスも感じられ、大いに共感を呼びますなど、皆さん、今回は1月を通じて楽しい初夢を楽しむことができたと思います。
ただ、1月は非常に哀しいことがありました。お正月明け早々に、当句会の立上げにも多大なご尽力をいただいた、大切な句友の上野尚博さんの訃報に接したことです。句会では、長年、バードウォッチングの会の代表としても活躍された上野さんならではの、ご専門の鳥に関する句を詠まれることも多く、その鳥の写真を回覧しながら詳しく説明していただく場面も多々ありました。最早そのような楽しい機会が失われたことがまだ現実として実感が湧いていません。
下記の藪野詠子さんの句など、上野さんの追悼句もいくつか詠まれましたが、当句会では改めて、リアル句会が開催できるようになった際に、上野さんを偲んで、鳥に因んだ句を詠んだ追悼句会を開催する予定にしています。
第57回句会は、2月28日(月)投句締切り。兼題は田村昌恵さん出題の「余寒」。出句は兼題1句と当季雑詠2句の合計3句。
当句会への新規入会あるいは体験参加希望の方は、鎌倉稲門会事務所あてメールでお問い合わせください。ご連絡をお待ちしています。
(今月の高得点句:3点以上。原句のまま。氏名は俳号)
8点句:天国がそこにありそな初茜 藪野詠子
雪だるま子のある家に一つづつ 田村昌恵
4点句:初夢を語る幼の頬紅く 千葉ふみこ
まつさらの空や母娘の羽子の音 吉崎明光
西窓の初富士などか神さぶる 前川たく
棒のごと喉元過ぐる寒の水 浜崎かづき
家解かれ更地に雪の降り積る 高吉よしえ
句友逝く鳥詠む名句冬薔薇 北村拓水
(吉崎明光記)