1月29日(木)伊勢原稲門会のお誘いで、伊勢原市の吉川(きっかわ)醸造の
見学・試飲会に参加した。伊勢原に加え秦野、鎌倉の3稲門会の合同である。
鎌倉からは、事前に割り当てられた25名の定員いっぱいの参加となった。




吉川醸造は大正元年の創業で、伊勢原市唯一の酒造である。
社名は、当初味噌醤油の醸造も行っていたことの名残であろう。
同社は生産量は限定的だが高品質酒の酒造として、日本酒愛好家から大きな支持を
受けていると聞く。
今回のご案内・説明役は6代目蔵元の吉川勝之社長である。
同社長によれば、従来主流だった機械化による酒造りから、伝統的な手造りの
手法に方向転換し、これを堅持しているという。
その中で特筆すべきは、酒造りの基となる麹造りであろう。
同社は、生産するすべての酒は麹蓋(こうじぶた)を用いて自家繁殖させた麹を
使用しているという。この麹造りは、温度管理や雑菌対策など大きな手間と時間を要する。
そうして造られた麹を巨大な和釜で蒸した米に添加して発酵させる。
製造に使う水は大山の伏流水、米は山田錦などの厳選米だ。




同社のメインブランドは菊勇(きくゆう)。「大吟醸」は、精米度5割以上。
手間がかかるだけに少量生産の貴重品だ。すっきりした味わいの中にも程よいコクのある
豊潤さが光る。
「吟醸」は、飲み口は辛めの勝った濃厚味ながらも、後味はすっきりして
ほのかに甘い香りが残る。「生酒」は新鮮なフルーツの香り。度数も高めの故か切れ味もよく、
上質なフランス白ワインの趣だ。
「にごり酒」は、濃厚で少々甘めだが身上のとろ味が喉に心地よく、香りの余韻を楽しめる。
参加者各人、それぞれの評価を語らいながら多種の酒を飲み比べるのは、酒好きにとって
貴重な体験だ。



12時過ぎ、後ろ髪を引かれる思いで昼食会場へ向う。
会場は、吉川醸造からほど近くの地魚料理店「田中屋」。ここにも吉川社長が挨拶に見えた。
3稲門会代表の挨拶の後、当会田村昌恵副幹事長の乾杯の発声で食事が始まった。
またもや美酒である。しばしの飲食・歓談も定刻までは瞬時であった。菊勇を前に、
腰を据えたグループが幾組も残留した。
午後2時過ぎ、帰途のバス・電車ではそれぞれが買い求めた酒を手に話も弾んだ。
求めた酒は自用か土産用か。酔いも醒めないまま酒を抱えての帰宅は、家族からどのように
迎えられたか、想像に難くない。 (文・写真 小林敏二)
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